どうもっ。Yukio(@Yukio_works)です。
プラモデルの楽しみの一つが『塗装』ですよね。
塗装済みのキットをサクッと作るのも良いですが、自分で色を塗ることで表現の幅を広げたり、より完成品への愛着が湧くことは間違いありません。
今回は「プラモデルを塗装したい!でもどれを使えばいいのかわからない・・・」そんな方向けの解説でございます。
プラモデル用の塗料の種類は大きく分けて3種類
現在流通しているプラモデル用塗料は、ラッカー系、水性系、エナメルの3種類。
まずはそれぞれの塗料の特徴について確認してみましょう。
ラッカー系塗料(溶剤系アクリル樹脂塗料)
昨今の水性塗料ブームにありながらも未だに高い人気のラッカー系塗料。国内で人気のラッカー系塗料の人気の理由とは?
ココがおすすめ
入手性の高さ
国内主流の塗料なのでタミヤ、GSIクレオス、ガイアノーツなど様々なメーカーから多様なカラーが販売されています。
模型店はもちろん大手家電量販店でも取り扱っているほど流通量が多いため価格もリーズナブル。
塗膜が強く美しく仕上がる
ラッカー系塗料の特徴として、発色の良さそして塗膜の丈夫さが挙げられます。
丈夫な塗膜は重ね塗りした時の食いつき、隠蔽力が高いだけでなく、カーモデルのような研ぎ出しを行なってツヤツヤボディに仕上げる場合にも小キズが残りにくいなどのメリットがあります。
乾燥が早く作業効率が高い
ラッカー系はシンナーを溶剤として使用しているので、後述の水性塗料などと比較して乾燥時間が短いことも大きな特徴です。
乾燥時間が短ければ複数回の塗り重ねもより効率的に作業できます。
ココに注意
シンナーがとにかく体に悪い
ラッカー系塗料の最大のマイナスポイントは乾燥の早さや塗膜の強度と引き換えに、人体に有害なシンナーを使用していることです。
塗装ブース、有機溶剤用のマスクなどしっかり装備を揃えなければ確実に人体にダメージを与えてきます。
水性塗料
国産のタミヤ、リニューアルした水性ホビーカラーとアクリジョンのクレオスのほか、高性能な海外製品も多数揃う水性塗料。
健康志向の高まりから国内でも人気急上昇中です。
ココがおすすめ
ラッカー系と変わらない入手性
模型店、量販店問わずプラモデルを取り扱うお店にはだいたい水性塗料が置いています。そういう意味ではラッカー系以上の入手性かもしれません。
国産はラッカー系より低価格なものが多いものの、海外製のものは安くても国産の3倍くらいのお値段になります。
体に優しい
ラッカー系と違い強力で有害なシンナーが使われていない(一部溶剤を使っているものもある)ため、匂いも少ないかほぼ無臭で家族からの反感も買いにくいです。
水で薄めたり洗浄できる
水性なので当然シンナーだけでなく水で薄めることもできます。完全乾燥前であれば洗浄も水でOKなものが多いです。
ココに注意
ラッカー系に比べて乾燥が遅い
強力な有機溶剤を使っていない水性塗料はその分乾燥もやや遅めです。
水で薄めたりするとさらに乾燥に時間がかかるのでやや作業時間が延びてしまうかも。
塗膜が弱い(柔らかい)
ラッカー系に比べて塗膜が弱く柔らかいのもデメリット。
完全乾燥後でも溶剤に溶けるので、ラッカー系を上塗りするのは基本的にNG。
エナメル塗料
フィギュアやウェザリング、ちょっとした小物を塗るのにぴったりなエナメル塗料。
ココがポイント
比較的高い入手性
タミヤ製のエナメル塗料は模型店はもちろん、一部量販店でも取り扱っていることが多いので入手しやすいです。
拭き取ってやり直すことができる
エナメル塗料2大メリットその1。
専用のエナメル溶剤を使えば塗装を剥がして(溶かして)やり直すことができます。フィギュアのアイペイントやウェザリングで失敗したときのリカバリーが容易に可能です。
筆ムラになりにくい
エナメル塗料2大メリットその2。乾燥が遅く塗膜が平滑になりやすいので筆塗りした時の筆ムラが残りにくいです。
ココに注意
水性以上に乾燥が遅い
筆ムラになりにくいのと引き換えに完全乾燥にかなり時間がかかります。
水性以上に塗膜が弱い
塗膜の強度もラッカー系や水性系に比べて弱くなります。乾燥後でも溶剤が付着すると剥がれてしまうので上塗りのいらない最終工程で使用することが多いです。
溶剤が灯油の匂い
成分的に灯油に近いのでオイルの香りがします。ラッカー系のシンナー同様、体調を崩す原因にもなるので注意が必要です。
プラスチックを劣化させる
エナメル系溶剤の特性として、プラスチックを侵して脆くしてしまう性質があります。
下地にラッカーや水性塗料で塗装を施してあればあまり問題ありませんが、関節などテンションがかかる箇所に多量に流れ込むと簡単に割れてしまうこともあるので注意が必要です。
重ね塗りの順番はどうする?
ラッカー、水性、エナメルこれらの塗料の使い分けにも注意が必要です。
ちょっとわかりにくいので簡単な図で見てみましょう。
上塗り | ||||
---|---|---|---|---|
下塗り | ラッカー | 水性 | エナメル | |
ラッカー | ◎ | ◎ | ◎ | |
水性 | △ | ○ | ◎ | |
エナメル | ✕ | ○ | ○ |
基本的な塗装手順の一例を紹介します。
塗装手順の一例
- 必要に応じてサーフェイサーで下地作り
- ラッカー系塗料で基本塗装
- アクリル塗料orエナメル塗料で部分塗り分け
- ラッカーもしくは水性クリアで保護
- エナメル塗料でウェザリング
- 最終クリアコート
こんな塗料でも塗れる!
アクリル絵の具
100円ショップでも買うことができる絵の具でも塗装できます。プラスチックに直接塗ると弾かれてしまうので、予めホワイトサーフェイサーを塗るなどして下地を作っておくと良いでしょう。
油絵具
画材屋さんや文具屋さん、ハンズなどでも入手できる油絵の具(油彩)も使えます。AFV系やのモデラーさんはウェザリングやフィギュアに使っている方も多いでしょう。
エナメル塗料以上の乾燥の遅さで、ブレンディングによるコントラストの効いた塗装ができます。
油彩のスペシャリストで海外のプラモ系YouTuber「PLASMO」氏の油彩チュートリアル動画も参考になります。
色鉛筆
ガンプラなどを色鉛筆でアニメ風に塗り上げるテクニックも面白い塗装の一つですね。
こちらもプラスチックのままでは色が乗らないのでサーフェイサーが必要です。
まとめ
さて、プラモデル塗装で使われる塗料とその特徴などを簡単に解説してみました。
塗料の特性だけでなく制作環境に応じて使い分けることで表現の幅も広がり家族からの痛い視線も軽減することができるかもしれませんね。